DICTIONARY
Hazeland
ヘイズランド
高層ビルが立ち並ぶ煙霧と黄昏の街。
大都会だが、各所に古い教会や墓地が不自然な形で取り残されている。
「天使の破片(エンゼル・ダスト)」がしばしば現れては事件を引き起こす。
エンゼル・ダストの影響で街は物理的、時空的にも大きく歪んでおり、近未来のものと思われる奇妙な装置の出現や、死去したはずの過去の著名人に関する目撃情報が後を絶たない。
各宇宙のうちメジャールートの宇宙にこの街は存在せず、細い枝葉であるマイナールートにのみ存在する。
本来はメインルート候補であったが、この世界の人間が他の宇宙の存在に気づき、ある程度エンゼルの行動に介入できるようになったため、優先的にエネルギーを奪われる運命となった。
Soltridge
ソルトリッジ
ヘイズランドからはるか北に進んだ先、島国の最北端にあるちいさな離島。塩が名産。
楔が落下してウィッチやウォーロックが増え、島ぐるみで魔女裁判をしていた。
Night Universe
夜の宇宙 【よるのうちゅう】
「世界を天使が滅亡させる」という運命が決定した宇宙を指す。
すでに人間を含む生物や星がほとんど食い尽くされており、恒星の輝きも失われたため、宇宙空間は真っ暗である。
ここに存在する天使は新たな熱量を求めて、他の宇宙へ強引に介入せんとしている。
Wedge
楔 【くさび】
数年前に天使が「夜の宇宙」からヘイズランドの中心へ落下させた巨大な物体。
宇宙を強引にこじ開ける白銀の逆三角錐で、構成素材は不明。高さは300mほど。まれに表面が殻のようにはがれる。
周囲はヘイズランド市警によって立入規制が敷かれている。
Angel Dust
天使の殻 【エンゼル・ダスト】
楔から剥がれた破片を指す。全身は楔と同じ白銀、鉱物の結晶に似た不定形で、意思らしいものは持たない自動機械(オートマトン)のようなもの。
異なる宇宙から現世へ強引に干渉しているため、現世の物体への影響力はほとんどないが、現世の生物や物体に乗り移ることで形や知性を得、熱量を確保するため暴れまわる。
出現直後に消滅させることはほぼ不可能だが、熱量を吸収するほど巨大化し、破壊力が高まるものの風船のように壊れやすくなる。
さまざまな形のエネルギーをあつめた存在のため、倒した直後はあたりに花が咲き乱れたり、棺桶に入れておいた死者が一時的に生き返ったりする。
俗に"ダスト"とも呼ばれる。
Angel
天使 【エンゼル】
各宇宙を飛び移っては各世界の熱量を食い荒らし、滅亡させる意思のない群体。
複数の宇宙の間で唯一群体として存在し、メジャールートから枝分かれした可能性からエネルギーを奪い、メジャールートを安定させるための熱量として伝搬する役割を担っている。
便宜上エンゼルと呼ばれているが、聖書や神話の天使と一致する存在ではない。
Demon
悪魔 【デーモン】
天使の破片が人間に憑依したことで稀に自我を得、性質が変化したもの。
憑依媒体の精神性や深層意識を核に借りて宿主から分離し、かつ自我を得ることで天使の群体からも分離するが、これを「堕天」と呼ぶ。
宿主とは一心同体、あるいは少なからず共依存的な関係にあり、宿主そのものを映し出す鏡のような存在でもある。
駆動エネルギーは天使と同じ熱量で、宿主の選択により補給方法は各デーモンで異なる。
基本的にはエンゼル・ダストを狩って熱量を維持しているが、天使同様に人や物体、電気や熱などを食ってもよく、また宿主の食事からある程度は折半できる。
形は一定だが大きさはそこそこ可変、異形や幾何学系のものが多いが、宿主の精神によっては稀に人間や動物型を取るものもいる。
ダストであったときのことはやんわり覚えているようで、「何かに突き動かされるようにして暴れていた」と証言する。
Witch/Warlock
宿主 【ウィッチ/ウォーロック】
エンゼル・ダストの憑依を受け、さらにそれらをデーモンとして分離させた人間のこと。
楔が落下した際に周囲にいた人間に最も多く、落下後に追加で憑依された者もおり、増え続けている。一部では人為的に天使を憑依させ、対エンゼル・ダスト用の戦闘兵器にされた者もいるらしい。
基本的に宿主ひとりにつきデーモンは一体だが、宿主が多重人格などで核になりうる精神が複数ある場合は、ごく稀に複数のデーモンを持っていることがある。
多くは普通の人間と同様に暮らしているが、天使と融合した怪物であると非難し、差別する地域も少なくない。